慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDとは

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙などの有害物質を長年にわたって吸い込み続けることで、肺の組織や気道が慢性的にダメージを受け、空気の流れが妨げられる病気です。息切れ・咳・痰といった症状が徐々に現れ、感染などをきっかけに急激に悪化(増悪)することもあります。

どのくらいの人がかかっているか

国内では40歳以上の約12人に1人、530万人以上がCOPDと推定されています(令和5年患者調査)。しかし実際に医療機関を受診しているのはそのうち約38万人にとどまり、多くの患者さんが診断を受けないまま過ごしているのが現状です。症状が少しずつ進むため「年のせい」と見過ごされがちな病気です。

原因

最大の原因は喫煙で、喫煙者の約15〜20%が発症するとされています。過去に喫煙歴がある方も注意が必要です。そのほか、長期間の大気汚染・粉塵への職業的な曝露・繰り返す呼吸器感染症なども発症に関わります。

主な症状

  • 歩行時・坂道・階段での息切れ
  • 長引く咳・痰
  • 風邪をひくと通常より長引く、または繰り返す

喫煙歴があり、これらの症状に心当たりのある方は、早めにご相談ください。

診断

呼吸機能検査(スパイロメトリー)で空気を吐き出す力の低下(閉塞性換気障害)を確認することがCOPD診断の基本です。自覚症状が乏しい段階でも健診の胸部CT等で異常を指摘されることがあります。COPDでは骨粗しょう症・栄養障害・心血管疾患などを合併しやすいため、全身状態の評価も重要です。

治療

治療の目的は、症状を和らげ、病気の進行と増悪を防ぐことにあります。

禁煙が最も基本的かつ重要な治療です。喫煙を続けると呼吸機能の低下が加速します。薬物療法としては、気管支を広げる吸入薬が中心となり、症状に応じて吸入ステロイドが組み合わさることもあります。

増悪した場合には抗菌薬や全身ステロイドが必要になることがあります。また、呼吸リハビリテーション(呼吸法・運動療法)や栄養管理も症状の安定と生活の質の維持に欠かせません。病気が進行し酸素不足が生じた場合は、在宅酸素療法が必要になることもあります。

生活上の注意

手洗い・うがいの習慣化に加え、インフルエンザ・肺炎球菌などのワクチン接種を行い、感染による増悪を予防することが大切です。また、バランスのよい食事で体重・体力を維持し、日常生活でできるだけ体を動かすことが病気の安定につながります。

当院について

ひろせクリニックは埼玉県所沢市にあり、西武新宿線の新所沢駅が最寄りです。当院では複十字病院の呼吸器専門医が火曜日午前および第1・第3・第5土曜日に診療を担当しており、COPDをはじめとする呼吸器疾患の診断・治療を行っています。「せきが長く続く」「夜間に息苦しくなることがある」という方は、いつでもお気軽にご相談ください。

参考資料:日本呼吸器学会 呼吸器の病気「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」

https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/b/b-01.html

menu