
内科について
内科では、以下のように幅広い疾患に対応しています。
- 日常生活でよくみられる急性疾患(かぜ、インフルエンザ、胃腸炎)
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病
- アレルギー疾患や慢性疾患の管理
慢性疾患の管理を通じて、定期的な健康管理や検査を通じて、病気の予防と早期発見にも取り組んでいます。
総合内科専門医について
総合内科専門医は、循環器(心臓・血圧)、消化器(胃腸・肝臓)、内分泌・代謝(糖尿病・甲状腺)、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー、膠原病、感染症といった9つの内科領域を横断的に診ることができる医師です。
特定の臓器や専門領域にとらわれず、全身をひとつのつながりとして捉えながら診療を行うことを特徴としています。
体調の変化があっても「何科を受診したらよいかわからない」と感じることは少なくありません。
総合内科専門医は、そのようなときにまず相談できる存在です。症状の背景を幅広く考え、必要に応じて各分野の専門医へつなぐことで、適切な診断と治療を受けられるようサポートします。
また、加齢とともに複数の病気を抱える方が増える中で、複数の医療機関を行き来する負担や、薬の重複・飲み合わせの問題も生じやすくなっています。
総合内科では、一人の患者さんを全身的に診ることで、治療の重なりや矛盾を避け、生活全体を見据えた治療計画を立てることが可能です。
複数の専門病院に通わなくても、一定の範囲まで総合内科で診療が完結できることは、大きな利点の一つです。
また、各分野の専門医(循環器専門医、呼吸器専門医、内分泌代謝専門医、消化器病専門医、リウマチ専門医、泌尿器科専門医、小児科専門医、等)がそろっていることも当院の特徴です。内科から、各専門医への紹介も院内で完結することが可能です。
もちろん、より高度な検査や専門的治療が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介します。
「どこに相談すればいいかわからない」ときは、まず内科にご相談ください。
当院では、院長をはじめ、常勤・非常勤を含む12名の総合内科専門医が診療にあたっています。
それぞれの専門分野の知見を活かしながら、患者さん一人ひとりに寄り添った全身的な医療を提供しています。
このような症状がある方はご相談ください
- 発熱、咳、痰、鼻水、のどの痛みなどの風邪症状が続く
- 呼吸がゼーゼーする、息苦しい、咳が長引く
- 花粉症、蕁麻疹、喘息などのアレルギー症状
- 健診で血糖値・コレステロール・肝機能・腎機能の異常を指摘された
- 体重が増えた・減った、血糖値が高い、尿酸値が高いなど生活習慣病を指摘された
- 血圧が高い/胸が痛い/動悸がする/息切れしやすい/足がむくむ・重たい
- 腹痛、下痢、便秘、お腹の張りや不快感、吐き気、胃のムカムカ、食欲がない
- 便の色が黒い・赤い、黄疸(皮膚や白目が黄色い)
- 体がだるい、疲れやすい、喉が渇く、水をよく飲むようになった
- 頭痛、めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、こわばり
- トイレが近い、排尿時の痛み、血が混ざる、尿の色が気になる
- 夜眠れない
- 腰痛、関節の痛みや腫れ
- どの科を受診すればよいかわからない、複数の症状があって迷っている
内科でよく見る疾患
かぜ(かぜ症候群)について
一般的に「かぜ」と呼ばれる病気は、正式にはかぜ症候群といい、鼻やのど(上気道)に起こる急性の炎症をまとめた呼び方です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などで、発熱や倦怠感、食欲の低下を伴うこともあります。多くの場合、発熱は微熱程度で、全身の症状も比較的軽いのが特徴です。原因のほとんど(約80〜90%)はウイルス感染によるもので、鼻やのどの粘膜から体内に侵入して炎症を引き起こします。
体力の低下や睡眠不足などで免疫力が落ちていると感染しやすく、また治りが遅くなることがあります。通常は数日から1週間ほどで自然に回復しますが、症状が長引く場合や、発熱や咳が強くなる場合には気管支炎や肺炎に進行することもあります。「熱が下がったから大丈夫」と自己判断せず、回復期もしっかり休養をとり、症状の経過を見守ることが大切です。
インフルエンザ(季節性インフルエンザ)
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる急性の呼吸器感染症です。
一般的な「かぜ」と比べて症状が急に強く現れるのが特徴で、高熱(38℃以上)、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感などが目立ちます。咳やのどの痛み、鼻水などの上気道症状を伴うこともあります。
感染経路は飛沫感染や接触感染で、毎年冬に流行します。体力や免疫力が低下している高齢者、基礎疾患を持つ方、妊娠中の方、小児では肺炎や脳炎、心不全などの合併症に注意が必要です。
発症後48時間以内に抗インフルエンザ薬(オセルタミビル(商品名:タミフル)など)を開始すると、症状の軽減や回復の早期化が期待できます。
予防には毎年のワクチン接種が最も有効です。手洗い、うがい、マスクの着用、十分な休養と栄養をとることも大切です。
発熱や強い倦怠感がある場合は、早めに受診し、インフルエンザ迅速検査を受けましょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
新型コロナウイルス感染症は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる感染症です。
症状は発熱、咳、のどの痛み、鼻水、倦怠感、嗅覚や味覚の異常などさまざまで、一般的なかぜと似ています。
一方で、感染力が強く、持病のある方や高齢者では重症化しやすい点が特徴です。肺炎や呼吸不全を起こすこともあり、特に基礎疾患(糖尿病、心疾患、腎疾患など)をお持ちの方は注意が必要です。
診断には抗原検査やPCR検査が用いられます。軽症の場合は自宅療養で経過観察が可能ですが、息苦しさ、強い倦怠感、高熱が続く場合には、早めに医療機関を受診してください。
治療は症状に応じた対症療法が中心で、重症例・重症化のリスクが高い症例には抗ウイルス薬が使用されることがあります。
感染予防の基本は、手洗い、マスクの着用、換気、発熱時の外出自粛などです。
また、ワクチン接種によって重症化を防ぐ効果が確認されており、持病のある方や高齢の方は特に接種が推奨されています。
感染性胃腸炎について
胃腸炎は、ウイルスや細菌によって胃や腸に炎症が起こる病気です。
原因の多くはウイルス感染で、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。
これらのウイルスは、汚染された食べ物を食べたり、感染者の手指や調理器具を介して口に入ることで感染します。特に冬場には、保育園や学校などで集団発生することもあります。
一方で、カンピロバクターやサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌(O157など)といった細菌性胃腸炎もあり、こちらは食肉や卵などの生ものが原因となることがあります。
主な症状は、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などです。
多くの場合は数日で自然に回復しますが、脱水に注意が必要です。
治療の基本は、水分と電解質を補うこと(経口補水療法:ORT)で、食事は無理のない範囲で再開します。
細菌性が疑われる場合には、抗生物質を使用することもあります。
嘔吐や下痢が続くときは、こまめに少量ずつ水分をとり、無理に食事を摂らず安静にしましょう。
高熱が続く、血便が出る、脱水(口の渇き、尿の減少、めまいなど)が疑われる場合には、早めの受診が必要です。
アレルギー性鼻炎について
アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜にアレルギー反応が起こることで生じる病気です。
原因となる物質(アレルゲン)が鼻から体内に入ると、免疫が過敏に反応し、くしゃみ、透明でさらさらとした鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。
大きく分けると、2つのタイプがあります。
一つは、スギやヒノキなどの花粉が原因で、春や秋など特定の季節に症状が出る季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)。
もう一つは、ダニやハウスダスト、ペットの毛などが原因で、一年を通して症状がみられる通年性アレルギー性鼻炎です。
治療には、薬物療法(抗ヒスタミン薬や点鼻薬など)のほか、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)等が行われます。
また、原因となるアレルゲンをできるだけ避ける「環境整備」も重要です。
たとえば、室内の換気や掃除をこまめに行う、寝具を清潔に保つ、花粉の多い時期はマスクやメガネを活用するなど、生活環境を整えることで症状を軽くすることができます。
症状が長引く場合や、市販薬で改善しない場合は、医療機関で原因を特定し、体質や生活スタイルに合わせた治療を受けることをおすすめします。
生活習慣病について
生活習慣病とは、毎日の生活習慣が積み重なって発症する病気の総称です。
食べすぎや運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどが主な要因で、長年の生活の癖が体に負担をかけていきます。
高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満症、動脈硬化症などが代表的で、これらは脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気の原因となることがあります。
自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、気づかないうちに血管や臓器にダメージが蓄積していきます。
生活習慣病は、健康診断などの定期検査で早期発見が可能です。
検査値に異常を指摘された場合や、不安があるときは放置せず、早めに受診して生活習慣を見直すことが大切です。
高血圧症
日本高血圧学会の基準では、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の場合を「高血圧」としています。
血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化が進行します。その結果、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などの重篤な病気を引き起こす危険性が高まります。
高血圧は自覚症状が乏しいため、定期的な測定と記録が重要です。食事の塩分を控え、適度な運動や十分な睡眠を心がけることが、治療と予防の基本となります。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂質(LDLコレステロールや中性脂肪)が増えたり、HDLコレステロールが減ったりしている状態です。
この状態を放置すると、血管の壁に脂質が沈着して動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の原因となります。
初期には自覚症状がほとんどありません。
定期的な血液検査で異常を早期に見つけ、食事・運動療法を中心に、必要に応じて薬による治療を行います。
糖尿病
糖尿病は、インスリンというホルモンの働きが不足または低下し、血糖値が慢性的に高くなる病気です。
進行すると、動脈硬化、神経障害、網膜症、腎症など、全身にさまざまな合併症を引き起こすことがあります。
初期の段階では自覚症状が乏しいため、健診や血液検査で早期に気づくことが重要です。
予防と治療の基本は、食事内容の見直し、定期的な運動、体重管理です。必要に応じて内服薬やインスリン治療を行い、血糖コントロールを維持します。