間質性肺炎について

私たちが吸い込んだ空気は、気管・気管支を経て、肺の奥にある肺胞と呼ばれる小さな袋状の組織に届きます。肺胞の壁(間質)には毛細血管が密に分布しており、ここで血液への酸素の取り込みと、血液中の二酸化炭素の排出(ガス交換)が行われています。

間質性肺炎とは、この肺胞壁(間質)に炎症が生じ、次第に壁が厚くなり硬くなる(線維化)ことで、ガス交換がうまく機能しなくなる病気の総称です。線維化が進行すると肺が縮んで硬くなり、蜂の巣状の空洞(のう胞)が形成される蜂巣肺と呼ばれる状態に至ることもあります。この変化は胸部CTで確認できます。

原因

間質性肺炎を引き起こす原因はさまざまです。

  • 膠原病・リウマチ疾患(関節リウマチ・皮膚筋炎・全身性強皮症など)
  • 薬剤・漢方薬・サプリメントなどによる薬剤性肺炎
  • 粉塵・カビ・鳥の羽毛などの慢性的な吸入(じん肺・慢性過敏性肺炎)
  • 感染症(ウイルス・真菌・特殊な細菌など)
  • 原因不明(特発性間質性肺炎)

さまざまな検査を行っても原因が特定できないものを特発性間質性肺炎と呼び、その中にもいくつかの病型があります。頻度の高いものとして、特発性肺線維症(IPF)、特発性非特異性間質性肺炎(NSIP)、特発性器質化肺炎(COP)が知られています。

原因によって治療方針が大きく異なるため、正確な診断が非常に重要です。

主な症状

  • 乾いた咳(痰を伴わない)
  • 体を動かしたときの息切れ(労作時呼吸困難)――安静時は問題なくても、坂道・階段・入浴・排便など日常的な動作で息苦しさを感じます
  • 病気の進行とともに、安静時にも息苦しさが現れるようになります
  • 経過中に呼吸困難が急激に悪化すること(急性増悪)があり、迅速な対応が必要です

症状がゆっくりと進行するため「年のせい」と思われがちですが、急性増悪が起きると生命に関わることもある病気です。

診断

問診(職業歴・服薬歴・喫煙歴など)・肺機能検査・血液検査(KL-6など)・高分解能CT(HRCT)を組み合わせて診断します。確定診断のために気管支鏡検査や外科的肺生検が必要な場合は、複十字病院などの高度医療機関にご紹介します。

治療

治療は原因・病型によって異なります。特発性肺線維症(IPF)には抗線維化薬、膠原病に伴う間質性肺炎にはステロイドや免疫抑制薬、感染症が原因の場合は抗菌薬・抗ウイルス薬などを選択します。

当院について

ひろせクリニックは埼玉県所沢市にあり、西武新宿線の新所沢駅が最寄りです。当院では関節リウマチ・膠原病の診療を11名の専門医が担当しています。全身疾患であるリウマチ・膠原病の管理を万全に行うため、一般内科・小児科に加え、循環器、消化器、内分泌・代謝、呼吸器、泌尿器科など各分野の医師とも連携した診療を行っています。

間質性肺炎については呼吸器専門医が主に担当しておりますが、関節リウマチや膠原病に合併した場合は、リウマチ専門医と呼吸器専門医が連携して診療にあたっています。「動いたときに息切れする」「乾いた咳が続く」「CTで肺に影を指摘された」という方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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