関節リウマチで腎臓は悪くなる?eGFR低下の原因と対策を専門医が解説
関節リウマチと慢性腎臓病(CKD)の関係
関節リウマチ(RA)は関節に炎症を起こす病気として知られていますが、実は全身の炎症性疾患であり、腎臓(慢性腎臓病:CKD)にも注意が必要です。研究では、RAの方は一般の方に比べて、腎機能が低下してCKD(目安としてeGFRが60未満)に至る割合が高いことが報告されています1。
さらに大規模なデータでは、リウマチの炎症が強い状態が続くほど、腎機能(eGFR)の低下が速くなり、CKDへ進みやすいことが示されています2。
炎症が強い状態とは
痛みや腫れが続く、炎症が高いと言われる、調子の悪い期間が長い――こうした状態が続くほど、関節だけでなく全身(腎臓を含む)への負担が増えやすい、ということです。
腎臓を守るために大切なこと
腎臓を含む全身の臓器を守るためにも、「しっかり治療して炎症を抑え、寛解~低疾患活動性(病状が落ち着いている状態)を安定して維持する」ことが大切です。外来では、血液検査のeGFRに加えて、尿蛋白などの尿検査、血圧も含めて定期的に確認し、数値の推移を見ながら早めに対策していきましょう。
また、関節リウマチの方で、痛みのためにロキソニンなどの鎮痛薬(痛み止め)を定期的に内服している場合、体調(脱水気味のとき)やもともとの腎機能によっては、腎臓に負担がかかることがあります。痛み止めを飲む頻度が増えてきたときは、自己判断で続けず、主治医にご相談ください。
健診でeGFR低下や尿蛋白を指摘された方は、お気軽にご相談ください。なお、腎臓の管理には、糖尿病や高血圧の状態も重要になります。必要に応じて、血糖や血圧もあわせて確認し、腎臓を守る対策を一緒に考えていきます。
よくある質問
Q. リウマチの薬は腎臓に悪いのでしょうか?
リウマチの治療で使用される薬の中には、腎機能に影響を与える可能性があるものもあります。特に、痛み止めとして使用されるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、長期間の使用により腎機能を低下させることがあります。
一方で、アンカードラッグであるメトトレキサートは、腎機能が低下している場合には用量調整が必要になることがあります。生物学的製剤は、適切に使用すれば腎臓への影響は比較的少ないとされています。
そのため、リウマチ治療中は定期的に血液検査(eGFRなど)を行い、腎機能を確認しながら安全に治療を継続することが重要です。
Q. eGFRが低いと言われたらどうすればよいですか?
eGFRは腎臓の働きを示す指標で、一般的に60未満になると腎機能低下(慢性腎臓病)が疑われます。ただし、一時的な変動もあるため、1回の検査結果だけで判断するのではなく、継続的な評価が重要です。
リウマチの方では、加齢に加えて、炎症や薬剤、糖尿病・高血圧などの影響で腎機能が低下することがあります。そのため、
- 定期的な血液検査
- 薬剤の見直し
- 血圧や血糖、脂質の管理
などを行いながら、腎機能の悪化を防ぐことが大切です。
腎機能低下を指摘された場合は、早めに医師に相談し、必要に応じて専門的な評価や治療を受けるようにしましょう。
まとめ
関節リウマチや腎機能低下を指摘された方は、所沢市・新所沢駅近くのひろせクリニックまでご相談ください。リウマチ専門医が腎臓への影響も含めて総合的に診療を行っています。
参考文献
1:Hickson LJ, et al. Am J Kidney Dis. 2014; 63: 206-13
2:Fukui S, et al. Ann Rheum Dis. 2025; 84: 201-209